The Night Strange 32nd @URGA

ということでノイズ系のライヴに足を運んでみました。年末にも行ったので、二度目? からだが元気だったらもっといろいろ見に行けるのに。


・Emotional Ticon

 男女四人編成。フロント二人の女性が叫ぶ。バック二人の男性がノイズを発生、というのが基本みたいだけど、実際には非常にフレキシブル。ピアニカが登場したり全員がベース持ったり、いろいろ。前回見たのがなんつーか破壊・パンク系、すなわち衝動を衝動としてぶつけるタイプが多かったのにたいして、このバンドはまたちょっと位相が違うのであった。よい意味でとても計算されていて、よかった。


・マスクド・ダイオウド

 ボーカルとギターの二人の編成。ボーカルはシャウト!! ギターは爆音なのだけど非常に繊細な音を奏でる。ボーカルの人が破壊系のようだけど、実はもう少し繊細だ。繊細と書くと嫌われるかもしれないが、どんなに破壊的であろうとも出音を大切にする人は常に繊細だ。言い換えれば、パフォーマーというよりも演奏者、ということだ。


・ANALOG SUCIDE

 イスタンブールからやってきたノイジシャン。一人。たぶん4組の中では機材はいちばん少なかったと思う。でも出音はすごいのだった。圧倒的な音の洪水。何も考えずにただただ埋もれているだけで気持ちよい感じ。パフォーマー的な部分は皆無。でも音のテクスチャーに対するこだわりはすごい。もしかしたらいちばんエモーショナルな演奏をしていたかもしれない。最後はバサッと音を気って終了。かっこいい!


・MOLESTER

 ネクタイを短く締めて、頭にストッキング被って登場。見た目が怖いw 一人。機材は膨大。雨が降ったらどうするのだろう……アナログシンセまで置いてあった。爆音を出しまくっていて、鎖を振り回したり、コンタクトマイク系のものを叩いたり、微妙にパフォーマー指向。でも基本的には音を追求。マイクロフォンも遣ってシャウト。でも途中でトラブルがあったみたいでそれが残念。でも音が出続けているので、それでもカッコいいのではあった。


 という感じだったのだけど、前回とは違った意味ですごいなあと。いろいろなやり方があると思うけど、個人的には破壊系はちょっと苦手かもしれないと思った。そういう意味でのフィジカルな体験をしたいのではなく、黙って音が聴きたいのだ。コンサートホールのような場所で、椅子に座って聴くほうがよいのではないかとさえ思ったりしている(そこまでしちゃうと詰まらないかもだけど)。


 ノイズ系はほんと聴き始めたばかりなのだけれども、なかなか奥が深くて面白いかもしれないと思ったりするのでありました。わたしもノイズ系やってるわけだけど、前回と今回のライヴを見て、まだまだだな、というか、ライヴをできるような方法論を作り出す必要があるなと思った。あとは、どうやったらライブに出られるか、だ。デモ盤作って名刺代わりに配るか。


 ほんとは誰かと組んでやりたいのだけど、ひとりでやる方が向いているかもしれない。