DOD FX56 American Metal


BOSSのコンパクト・エフェクターになんとかMETALとかMETALなんとかというのがいくつかあるが、DODにもいくつかある。BOSSはすべて黒だが、DODはまちまち。METALというからにはヘビメタ系で使わなきゃならないのかといえばそんなことはないだろうが、どれも共通しているのはハイゲイン・サウンドを得られるということだろう。


で、今回このエフェクターのレビューを書くつもりはないが、すぐにフィードバックを起こすくらいにはハイゲインだ。あるいは発振する。おそらく。無音状態でギターのボリューム回すとそんな音がするから。ヘッドホンで確認しなくては。ちなみにいちばん右側のノブがDISTORTIONとなっていて、歪の量を調整するはずなのだが、十時くらいからほとんど変わらない。DODっぽい。むしろ音作りのキモはまんなかのPRESENCEで、トーンコントロールというかなんというか。あとはDISTORTIONを下げ気味にしてLEVELを上げ気味にしても面白い。いずれにしても暴れん坊だ。


こいつがうちに来たときの状態は、ガリは出るし、スイッチは不安定という有様だったが、今日ボリュームを開けて清掃した。


基本は部品の交換なのだが、こいつの場合簡単に裏蓋を外せたので、その状態で外へ出て作業。昨日薬品を吸引してしまったので。


接点復活剤はCAIGのフェーダー用F5を使う。他のものは絶対に使わないほうがいいと思う。多すぎたらティッシュなどで軽く吸い取ってやり、ボリュームの軸をぐるぐる回す。このときカーボンの部分から外れないように気をつける必要があるが、まあ実際には失敗する。ブラシの向きがあるので、逆転させなければ大丈夫だ。


また、ブラシが汚れていたら、綿棒などで丁寧に清掃する。カーボン面はどうなんだろう? わたしは触らぬ神に、ということで何もしていない。


その後接点洗浄剤(リレークリーナーなどでOKだと思う。わたしはサンハヤトのRC-224というのを使っている。こいつは結構におう。いずれにしても吸引しないように注意したい。できれば屋外で行うのがいいと思う)で接点復活剤を吹き飛ばす。これによって余計な成分が固化したりすることを防げると思うが、一年くらい様子を見ないとなんともいえない。これも吹き付けすぎた分はティッシュなどで吸い取る。おなじくカーボン面には触れないほうがいいと思う。


完全に乾く、という状態があるかどうかわからないが、完全に密閉されているわけではないので適当なところで裏蓋を取り付ける。ほこりが吸着したりするのも問題だろうし。これを何度も繰り返せば金属疲労が起こり、蓋を取り付けている爪が折れるだろうが、そのときはボリュームを交換すればいいと思う。


さらにDODのFXシリーズはスイッチがタクトスイッチで、いかれているものも多いのではないかと思ったらそうでもなかった。これもスイッチ自体は生きていたが、機械的な遊びの部分を調節するのに手間取った。


さらに、年数が経っていたのと保存状態の問題で、基板を動かすたびに配線がハンダ付けのところからぶちぶち切れるのだ。この辺はいずれ何とかしたい。ずいぶん情けない線材が使われているので、もっといいものと交換するのも面白いかもしれない。でもまあそれはそのうち。


これで、これまで死蔵せざるを得なかったエフェクターを使えるようになったのは喜ばしいことだ。少しずつ作業していきたい。